JCOの取り組み

事業の状況

弊社では現在、安全確保を第一に「ウラン廃棄物の保管管理」と「施設の維持管理」に継続して取り組んでいます。また、主な事業の近況は以下のとおりです。

【焼却設備について】
●焼却設備運転に至るまでの取組み

  1. 1.焼却設備の試運転・搬入について
    1. 2014年7~8月にメーカーにおいて以下の項目の検査・試運転を行い、問題がないことを確認しました。
      1. (1)機器の外観・員数検査
      2. (2)インターロック(安全装置)試験
      3. (3)制御試験・検査(制御盤と機器の動作確認)
      4. (4)運転条件確認試験(温度推移、適正な燃焼条件の確認)
      5. (5)実作動模擬試験(灯油燃焼、新品溶媒の燃焼、排ガス冷却工程の確認)
        その後、弊社敷地内に搬入し、8月28日に開催した説明会にて、ご希望の方に据付前の焼却設備を見学いただきました。
  2. 2.焼却設備の据付工事について
    1. 焼却設備設置場所(第1管理棟の一部)の整備が完了した後、2014年9月下旬より設備の据付工事を開始し、12月2日で完了となりました。設置場所の整備作業および設備の据付工事に期間を要したことから、予定より遅れたものの、一連の工事を無事故・無災害で進めることができました。
  3. 3.消防による危険物取扱所の完成検査受検
    1. 焼却設備設置場所は危険物取扱所に該当します。このため、灯油や溶媒(危険物)に係る新設した設備や配管、消火設備等について、消防による完成検査を受検し、2014年11月20日付で完成検査済証を受領しました。
  4. 4.原子力安全協定に基づく自治体立入調査
    1. 焼却設備の検査運転等を開始するにあたって、弊社が原子力安全協定を締結している6自治体の立入調査を2014年11月21日に受けました。弊社から焼却設備に関する安全対応等をご説明し、設備の現場調査をしていただきました。
  5. 5.社内での各種検査・試運転
    1. 2014年11月下旬~2015年1月中旬に社内において上記試運転の項目と同様の検査・試運転を行い、問題がないことを確認しました。
  6. 6.保管溶媒を使用した試運転
    1. 2015年1月19日~3月10日に保管溶媒を使用した焼却試運転を行い、排気、排水への放射性物質の影響は認められず、運転安定性を確認いたしました。同内容については2015年3月12日に開催した住民説明会においてお知らせいたしました。
●焼却運転の実績
  1. 2015年3月16日より通常運転を開始し、安全を最優先に保管溶媒の焼却運転を継続した結果、2020年4月24日に全量約104立方メートルの処理が終了しました。焼却設備を解体撤去する内容に変更する使用許可が国に許可されましたので、2020年10月に焼却設備の解体撤去工事を開始しました。
●焼却設備運用にあたっての取組みの状況
  1. 1.第三者会議による焼却活動の確認
    1. 2020年11月13日に第13回会合を開催し、保管溶媒の焼却運転の終了について報告するとともに、廃棄物の保管状況の見学、意見交換等を行いました。当議事録につきましては当ホームページでお知らせしています。なお、焼却運転終了に伴い、第13回会合をもって当会議は終了しました。
  2. 2.空間線量の調査による焼却活動の確認
    1. 2014年6月に近隣住民の代表者の方々と東海村防災原子力安全課殿のお立会いのもと、敷地内の定点4箇所を決定しました。これまでに22回の調査会を開催し(直近で2020年4月22日)敷地内定点4箇所の測定を行いました。測定結果は、0.04~0.08μSv/時であり、各定点の平常値の範囲内で特に問題はありませんでした。焼却処理の終了に伴い第22回の調査をもって本調査会は終了しました。
  3. 3.情報発信の充実
    1. (1)近隣4自治会への定期的な情報提供
      1. 2015年1月に焼却活動について各自治会の皆様へ回覧によりお知らせし、毎年度の年間事業計画および焼却活動について、各自治会役員会および定期住民説明会(直近で2020年7月17日)の場でご説明しております。
    2. (2)構内のガンマ線量率の測定と表示
      1. 2014年10月6日より、弊社正門前で電光掲示板による表示およびホームページ上で公開しています。
    3. (3)ホームページの開設
      1. 2013年12月に開設し、運用中です。
  4. 【設備撤去工事について】
    2015年度から第2管理棟と固体廃棄物処理棟の旧加工設備の撤去工事を開始するにあたり、その準備として、管理区域内の整備作業を実施してきましたが、2015年12月に国の許可がおりましたので安全を最優先に撤去工事を進めております。

     

  5. 【ウランの回収・再資源化等のための出荷について】
    敷地内で保管管理しているウラン濃度が比較的高いウラン物質(高ウラン濃度残渣)並びにウランが付着している金属類(ウラン付着金属)を対象として、ウランの回収・再資源化等に取り組んでおります。2016年度から出荷を開始し、これまでに海外事業者へドラム缶(容量200㍑)換算で6,780本出荷しました。

     

ウラン廃棄物の保管管理

2020年12月末時点で、ドラム缶(容量200㍑)換算で9,956本(可燃物750本、不燃物9,206本)のウラン廃棄物を廃棄物保管倉庫に保管しております。

#

▲廃棄物保管倉庫

#

▲保管中の固体廃棄物

施設の維持管理

排気・排水処理等の設備の日常・定期点検、全施設の巡視点検、放射線管理等を行っております。なお、臨界事故前に稼働していた旧加工設備は、再稼動不可の状態で管理しています。

#

▲高性能エアフィルタ

#

▲排水貯留設備

環境放射線データ

2020年10~12月の排気、排水の放出状況(放射性核種:ウラン、単位:ベクレル/3ヶ月)は、ND(検出限界未満)でした。

項目 放射性核種 放出状況 3ヶ月間
放出管理目標値
排気 ウラン ND 1.1×106
排水 ウラン ND 2.8×108

※ ND(検出限界未満)は、茨城県東海地区環境放射線監視委員会の「茨城県環境放射線監視計画」に基づいた測定方法によって測定し、検出できない程小さな値であったことを示します。 放出管理目標値は、茨城県原子力安全協定で定めた排気、排水中の放射性核種の放出管理目標値です。

放射線モニタリング情報

事業所周辺の放射線を監視する目的で、敷地内4ヶ所に測定点を設置して空間線量率を測定し、その結果を放射線監視状況として公開しています。(測定装置やデータ転送装置の点検作業時やデータ通信エラー発生時等は、データが表示されない場合があります。)

上へ戻る